河本五郎 反骨の陶芸展 at 菊池寛実記念 智美術館 その1

 

虎ノ門にある菊池寛実記念 智美術館(きくちかんじつきねん ともびじゅつかん)で開催されている「河本五郎 反骨の陶芸展」に行ってきました。

 

今回の展覧会の開催にあたり、学芸員の解説を聴く機会を得ることができました。

 

この美術館は通常写真撮影は禁止なのですが、この日だけは写真撮影が可能で、ブログやSNSへの紹介に関しても許可を得ることができました。

 

 

智美術館の地下1階につづく螺旋階段です。

 

 

 

手すりはガラス作家の横山尚人氏によるものです。

 

壁には銀の和紙が貼られています。

 

 

 

 

 

 

階段を下りたところに、河本五郎の器が展示されていました。

 

 

(左) 灰釉鳥の器  (右) 黒い鳥の器

 

 

 

最初に目にしたこの2つの器には、いろんな意味で反骨の気持ちが込められています。

 

河本五郎(1919-1986)は1000年以上の歴史を持つ陶磁器の生産地、愛知県瀬戸市に生まれ、染付陶芸家河本礫亭の養子になりました。

 

主にろくろで作られた白地の器に藍色の絵付けをすることを学んでいたんですよね。

 

しかし、河本五郎のほとんどの作品は、ろくろを使わず、板状の土で成形されたものです。

 

この2つの作品は、普通なら廃棄するくず土を使って、わざと土肌を作っています。

 

この時代の作家は、床の間に飾られることを意識していましたが、この作品は違いました。

 

高さ50cmの花器ではありますが、建築に有効な衝立(ついたて)として作ったようです。

 

 

 

こちらも花器を兼ね備えた衝立てです。

灰釉動物文花器

 

 

 

 

魚紋陶盤

 

 

 

 

灰釉陶筥

 

 

 

 

長壺

 

 

 

河本五郎はろくろを使いませんでした。

 

竹に縄をぐるぐると巻いて心棒を作り、それに板状の土を巻き付け、底を付けて、薪の棒で叩いて土を締めるというやり方です。

 

 

 

灰釉青彩鳥文壺

 

 

 

土肌の陶器に惹かれます。

 

 

<つづく>

 

 

菊池寛実記念 智美術館

11:00~18:00

月曜定休

東京都港区虎ノ門4-1-35 西久保ビル

 

 

河本五郎 反骨の陶芸展

2023年4月22日ー8月20日

 

 

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