昨年2022年9月に町田市立国際版画館で開催されていた長谷川潔 1891-1980展 ― 日常にひそむ神秘 ―に行ってきました。
展示の一部が撮影可能でした。写真を少し明るめにしてアップします。
長谷川潔(1891-1980)はパリを拠点に活動していた銅版画家です。
長谷川潔(はせがわきよし)の父は第一国立銀行横浜支店長であった長谷川一彦で裕福な家庭に育ちましたが、虚弱体質であったため勤めることを断念し、好きであった美術の道へ進みました。
1918年(大正7年)、版画技術の習得のためフランスへ渡航してから亡くなるまで、日本に帰ることはありませんでした。
長谷川潔は明暗の調子を豊かに表現できるメゾチントの技法を極めました。
フランスの国立貨幣・賞牌鋳造局からメダルが発行されています。(日本人としては葛飾北斎、藤田嗣治に次いで三人目)
長谷川潔は、「黒には7色の色がある」と、インクに関して強いこだわりを持っていました。
のちに黒の版画家と称されました。
狐と葡萄(ラ・フォンテーヌ寓話) 1963年
時 静物画 1969年
横顔 1970年
1970年に信頼していた摺師(すりし)・ケネヴィルが亡くなりました。
ケネヴィルが亡くなると、この『横顔』という作品を最後に版画家としての活動をやめました。
今回インクや紙に強いこだわりを持った長谷川潔の作品を間近かに見れて、とても満足でした。
紙の質感って大切な要素だと思っておりましたので。
また展覧会をやってほしいと強く思います。
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