東京の外れの山奥に「茶房むべ」があります。
高橋敏彦画伯という美術家宅のお茶屋です。
美術家がやるお茶屋なので、全てにおいて抜かりがありません。
ランドスケープ、家、家具、焼き物、絵、ランプ、ガラス食器等に目にやると、画伯と奥様の骨太な本物の美意識に触れることができます。
センスがいい店と美術家がやる店の違いって大きいですね。
ただセンスがいい店というのは、そこでくつろぐことはできても、そこで何かを教わる、感じるというのは少ない気がします。
店というのは感性を表現する場所ですから、美に向き合い続けるプロが造った店というのは強いです。
昔、気迫を感じる店に入ったことがありました。
今は閉店してしまいましたが、箱根にあった女優の浜美枝さんが建てたイタリアンの店「レナスキッチン」です。
古民家レストランと一言で片付けられないほどの異次元レベルの空間でした。
甘くない凛とした美意識を感じました。
店名とは真逆の空気感で、とても厳かな雰囲気でした。
吟味されたものを見回して、浜美枝さんの厳しさを感じました。
この店が初めての古民家ランチ体験で、良くも悪くもこの空間が基準となってしまいました。
この時から、できたら凛とした凝縮された空間で食事をしたいと思うようになり、ハードルがかなり上がってしまったのです。。。
ですから東京都の「茶房むべ」の存在は貴重で心の支えです。
両者の店に共通するのは、骨太、静かな美。
最近は若い人向けの楽しげな雰囲気なお店はすごく増えました。
それはそれで必要ですが、大人向けに乱れた心を一掃してくれるようなお店が出現してくれたらと切に願っています。
後日の「茶房むべ」のお花。
いつ行ってもお花をふんだんに生けています。ぬかりないんですよね。
果物も美味しいし、すべてきちんとされているので、気持ちよくお茶ができるところです。
茶房むべ
東京都あきる野市乙津1312
11:00~18:00 無休
tel 042-596-4335
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