大磯町民の想いで蘇った旧吉田茂邸 その1

 

大磯にある旧吉田茂邸の建築を見に行ってきました。

 

内閣総理大臣を務めた吉田茂が晩年過ごしていた邸宅です。

 

この邸宅は2009年に原因不明の火災により消失しました。

 

消失してまもなく大磯町で再建を望む声が上がり、3ケ月後に大磯町旧吉田茂邸再建基金を設置し、寄付を募ったそうです。

 

全国からの寄付金2億9千万円を含む総額約5億4千万円で再建工事を着工し、消失してから7年後の2016年に工事が完了しました。

 

寄付を募った時はまだクラウドファンディングがない時ですから、大変だったことかと思います。

 

 

 

応接間棟の楓の間(執務室)

 

 

 

庭にもみじの木があり、ここは秋に来たほうが良さそうでした。

 

 

 

応接間棟2階

 

 

 

 

 

 

新館2階 金の間

 

 

 

新館は建築家・吉田五十八が設計した近代数寄屋建築です。

 

 

 

右の窓からは富士山が見え(この日は見えませんでした)

 

 

 

 

左の窓からは太平洋が見える贅沢空間です。

 

 

 

吉田茂はこの部屋で飽きずに富士山を見ていたそうです。

 

この部屋めちゃくちゃ気持ちがいいんですよね。

 

開口部が広く、一方に富士山、一方に海が見え、新築の瑞々しい木の香りに包まれた空間。

 

これは、大磯町民が再建を望むわけだわ、と思いました。

 

日本が独立国になるために奔走して吉田茂がサンフランシスコ条約を結んだ功績も、大磯町民は誇りに思ったのかもしれません。

 

有名な建築家、吉田五十八が設計した邸宅がなくなったことを惜しんだのかもしれません。

 

この部屋でスタッフの方から火災で全焼したこと、消失したままにはしとけないと声が上がったことをうかがい、大磯町民の想いに心がうたれました。

 

それにしても新築の丁寧な造りの数寄屋建築というのはとても気持ちがいいものです。

 

自分は何も知らずに夏にここに来てしまいましたが、金の間で見れる富士山と紅葉がとても素晴らしいとのことでしたので、機会があれば紅葉シーズンに訪れたいと思いました。

 

 

<つづく>

 

 

旧吉田茂邸

神奈川県中郡大磯町西小磯418

9:00-16:30

月曜、毎月1日定休

観覧料 510円

 

 

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