DIC川村記念美術館の茶席

 

千葉県佐倉市にあるDIC川村記念美術館の建物の一角に小さな茶席があります。

 

最後に入る展示室の奥にあり、ちょうど桜が見える場所に位置しています。

 

 

 

 

 

 

 

 

和菓子は企画展「カール・アンドレ 彫刻と詩、その間」展の特別メニューを注文しました。

 

 

 

 

ここの茶席では和菓子デザイナーが企画展のモチーフにちなんだ和菓子を作り、提供します。

 

 

 

 

美術館の茶席というのは、なんとも繊細で、静謐な空気が流れています。

 

そこはカフェと大きく異なりますね。

 

自分はお茶する場合は、オープンテラスのような広い空間を探すほうなのですが、抹茶に限っては空間の広さは関係ないんだなと気がつきました。

 

抹茶を飲むこと自体が非日常で、和菓子作家の作品を目にすることも、さらに非日常なので。集中しなければと思ってしまう場所かと思います。

 

 

 

自分はDIC川村記念美術館に初めて来て感じたのは、”社会貢献”というのをすいぶん意識した企業なんだなと思いました。

 

最初は従業員が休憩時間に気軽に入って、アートにふれられるよう美術館を建てたらしいのです。

 

それが、アート好きが楽しめるような本格的な美術館として公開しました。

 

感心するのが、アートに関心がない人たち、レストランを利用しない人たちへの配慮までがきめ細かいのです。

 

この美術館は駐車場や入場料は無料です。入館料は1800円。(庭園やレストランを維持するのにお金かかると思うんですけれどね、駐車場代はとらないんですよね)

 

地域の人たちは無料でピクニックや広大な庭の散策を楽しめます。

 

駐車場の横や庭園にはお弁当を持参した人たちが気持ちよく利用できるようなおしゃれなラウンジがあります。

 

ドリップ式のコーヒー自販機があり、まるでスタバにいるような錯覚もおきます。

 

市立、県立、国立の美術館だってそこまでやらないことを、DICという化学メーカーがやっているんですよね。

 

車椅子に座った高齢者が介護士に連れられて花見をし、ラウンジで休憩する姿を見て、なるほどねー、場所を提供するのはすごい社会貢献になってるんだなと思いました。

 

ピクニックをしてる人たちも節度があり、この素敵な敷地の空気感を荒らす人はいませんでした。

 

本当に素敵な場所でした。

 

白鳥を撮りたいですし、来年再訪しようと思います。

 

 

 

======== <2024.9 追記> ========

 

DIC川村記念美術館が2025年1月下旬から休館することを発表しました。。。

 

作品の売却や東京への移転を軸に美術館の運営方法を見直すそうです。。

 

いやいやいやいや、川村記念美術館に訪れる人たちは、アート作品だけを見に来てるわけではありません。

 

美術館の建築、建築と調和した庭、自然。

 

企画展の作品をモチーフにした和菓子を提供する茶席。

 

貴重な古典の美術作品。川村記念美術館独自の視点で企画する現代アートの展示。

 

美術館が所有するアート作品は、この美術館の建築と切っても切り離せないほどに調和しています。

 

休館はアート好きには衝撃的なニュースです。

 

憩いの場としている佐倉市民はさらに心を痛めているかと思います。きつい話ですよね。。

 

千葉県佐倉市がこのニュースで動きまして、美術館の佐倉市での存続を求める署名活動を始めました。

 

自分もオンラインで署名しましたが、どうなることやら。。

 

品川の原美術館が老朽化で解体し、ヴァンジ彫刻庭園美術館のいきなりの休館。(泣)

 

庭園を持つ美術館の休館はアート好きや、その地域に住む人たちには結構ダメージが大きいです。

 

心の拠り所を失うことになるので。。

 

 

DIC川村記念美術館

千葉県佐倉市坂戸631

高速バス (片道1450円)
(行き)9:55 東京駅発→11:02 DIC川村記念美術館着
(帰り)15:29 DIC川村記念美術館発→16:42 東京駅着

入館料 1800円 (庭園、食事のみは入館料不要)

9:30-17:00

月曜定休

 

 

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