2017年秋に小田原にできた江之浦測候所に行ってきました。
江之浦測候所を知ったのはとても偶然のことでした。
私は昨年から庭造りに励んでいて、雑草対策のためにレンガで小道を造ったり、庭木を植えたりして、庭づくりに多少面白さを見出していました。
家の周りをぐるっとレンガで小道を造ろうと思っていたのですが、10mほど敷いたところで飽きてきて、残り10mは石畳みにしてみようと思い至り、敷石についていろいろと画像検索していました。
そこでいいなと思える石が見つかり、それが小田原の根府川石だったのでした。
少し驚きました。根府川は私が心のよりどころとしている土地だったからです。
言ってしまえば、根府川駅から車で15分ほどの江の浦が好きで、もっと言ってしまえば、宿兼レストランの江の浦テラスが大好きな場所なのです。
眺望がすごく、湾と山、ミカン畑が楽しめます。
初めて行った時はとにかく舞い上がりました。
こういう景色が見えるところで過ごしたら、どんなに心が穏やかでいられるだろうか。
根府川石はどこで手に入るのだろうかと検索していたところ、「江之浦測候所」について書かれた記事を見かけました。
写真家の杉本博司氏が江の浦に小田原文化財団を設立し、日本の建築様式、伝統工法を用いて主に石を多用した施設を建築。
ギャラリー棟、石舞台、光学硝子ストラクチャー、茶室、庭園、門、待合棟
「測候所」についてはHPに以下のように語られています。
“悠久の昔、古代人が意識を持ってまずした事は、天空のうちにある自身の場を確認する作業であった。
そしてそれがアートの起源でもあった。
新たなる命が再生される冬至、重要な折り返し点の夏至、通過点である春分と秋分。
天空を測候する事にもう一度立ち戻ってみる、そこにこそかすかな未来へと通ずる糸口が開いているように私は思う。”
HPを見て、一番私の心を掴んだ一文は
私は小田原に負うところが多い。
子供の頃、旧東海道線を走る湘南電車から見た海景が、私の人としての最初の記憶だからだ。熱海から小田原へ向かう列車が眼鏡トンネルを抜けると、目の醒めるような鋭利な水平線を持って、大海原が広がっていた。その時私は気がついたのだ、「私がいる」ということを。
入場制限を設けた予約制、入館料3000円
この強気の入館料と石の建造物、江の浦という場所という点で、いやが上でも期待が膨らみました。
江の浦を初めて訪れた時が、桜と菜の花が咲いていたきらきらした時期だったので、同じ時期に予約をして行ってきました。
見学するにあたって、説明を聞く棟。
樹齢一千年を超える屋久杉のテーブル。
石は雨に濡れてなんぼ。今度は梅雨の時期に来よう。
巨石は江戸城の石垣のために切り出されたもので、運送に失敗して根府川海岸の海底に散見されているということです。
大谷石のギャラリー。いつか大谷石の採掘場に行きたい。
古木とガラスの組み合わせ
このガラスが氷のようで清々しかった。
海と菜の花の取り合わせ
菜の花が満開だけに、測候所全体濃いはちみつの香りが漂う。
— 2へ続く —
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